縛られた巨人―南方熊楠の生涯

縛られた巨人―南方熊楠の生涯(新潮文庫) (著)神坂次郎

おすすめ度 ★★★★★

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熊楠が残した膨大な量の資料から浮かびあがらせた、和歌山が生んだ大天才の伝記。

幼いころから神童だった熊楠は、友人宅で見せてもらった『和漢三才図絵』105巻を読み、その場で記憶して家に帰ってから筆写をしていました。そのほか『本草綱目』『諸国名所図会』『大和本草』なども筆写するなど記憶力が抜群。ただ学校嫌いでよく授業をさぼって山で菌類の採集に励んでいたりしていました。
さぼり癖のためか大学予備門では試験に落第してしまい、それを機に予備門を中退し渡米します。それからサーカス団に入って中南米を放浪したり、大英博物館で勤務したり、日本に帰国後は神社の合祀に反対して役人とバトルを繰り広げるなど、とにかく多彩で行動範囲が広い熊楠は人間的魅力が凝縮されたような人物です。

ぼくがもっとも尊敬する人物の一人である熊楠は言動ともにすべてが人並みはずれていてスケールが大きく、読んでいて圧倒されます。学問に対する姿勢もとても紳士的で好感がもてます。